この記事はAFP(Affiliated Financial Planner)・2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持つ管理者が執筆しています。
- 車がほしいから、ローンで買う予定
- 少額の借金なら別にいいのでは?
- まわりを見渡せばみんな借金しているし、普通でしょ?
今まさに借金をして何かを買う予定のあなたに、主夫FPとしてどうしても伝えたいことがあります。
シンプルに借金はしないでください。

FPとしてよりも、一個人としても伝えたいです。
私はこれまでに、借金で日々の生活がギリギリだった友人。
借金によって家族に迷惑をかけた人。借金の返済で貴重な20代前半の時間を失った兄など、たくさんの人を見てきました。
その中で強く感じたのは、借金は今の自分だけではなく『未来の選択肢』すら奪ってしまうという現実です。
この記事では『なぜ20代の借金が危険なのか?』
『どうすれば借金をせずに乗り越えられるのか?』
主夫FPの立場から、専門的かつリアルな視点でお話ししていきます。
1台の車のために、数年間苦しんだ私の兄


当時20歳だった兄は、貯金もあまりない状態で300万円の新車をフルローンで購入。
しかし、半年後に事故を起こし廃車にしてしまうことになります。
さらに、派遣社員で手取りが13万ほど。毎月の支払いとても苦しく、昼間は派遣の仕事をこなし、夜は運送会社で仕分けのアルバイト。



お金がないので、友人との付き合いもほとんどなし。
結果、2年ほどで全額を返済しますが、20代前半の時間を借金の返済で終わることになるのです。
運がないと言われればその通りですが、未来は誰にもわかりません。だからこそ、借金が原因で苦しむことは避けてほしいのです。
借金は人生の選択肢を奪う


- 未来の自由と引き換えに、今の安心を手に入れる
- 返すのは借りた金額だけじゃない
車がほしいと考えても、お金がない。しかし、カーローンを組むことで自身の理想となる物が手に入る。
手にした瞬間は達成感に満ち溢れ、楽しい時期でもあります。



しかし、ローンで購入したことで数年間は強制的な支払いが始まる。
どんなに小さい借金でも、人生の選択肢を奪うことを自覚することが重要です。
未来の自由と引き換えに、今の安心を手に入れる
借金とは、『まだ稼いでいない未来のお金を先に使っている』状態です。
つまり、今の支払いを楽にする代わりに、将来の自由を犠牲にしているとも言えます。
- 少額だから大丈夫
- ボーナスが出たら返せばいい
小さな借金は感覚を狂わせ、高額な金額でも抵抗がなくなります。
金利という見えない手数料が、あなたの未来をじわじわと削っていきます。
借金には利息がある。返すのは借りた額だけじゃない
当たり前のことですが、お金を借りることは利息を付けて返済しなければなりません。
たとえば、クレジットカードのリボ払いの年利は15%前後が一般的です。
- 10,000円を借りたら、1年後は11,500円
- 100,000円を借りたら、1年後は115,000円



単純計算ですが、複利(金利)の力は本当に恐ろしいです。
10万円でも、30回のリボ払いで2万円以上の金利が乗ります。この金額がどれほど大きなコストを未来に課しているか、想像できます。
借金はあなたに価値をもたらしません。ただの罰金です。
借金は自分の未来だけではなく、家族の未来も奪う


借金は自分だけの影響で、完結できればいい方です。
ですが、自身でコントロールできない借金は時に親・妻・子どもにまで影響をもたらす場合があります。
例えば以下のような内容が考えられます。
- 教育・住宅・出産など生活だけでなくすべてに影響
- 借金が理由でやりたいことを諦める



借金=お金がない。その影響は、今後の選択肢を減らします。
教育・住宅・出産など生活だけでなくすべてに影響
20代もしくは30代の方で、今は独身であれば自分1人の問題に思えるかもしれません。
でも、借金によっては『将来の家族にも影響する長期的な負債』に発展する可能性があります。
- ローンの審査に通らない
- 子どもの教育費が足りない
- 住宅ローンが組めず、賃貸生活が続く
長期的に続く借金は、未来だけではなく今この瞬間の選択肢を奪うことにも繋がります。
借金の返済は、あなたのやりたいをできないに変えてしまうのです。
借金が理由でやりたいことを諦める
以前、10年以上振りに再開した友人がいました。
友人は20代の前半に、ギャンブルにハマり数百万円の借金を抱えていたことにより、貴重な時間を返済に費やしていたことを話してくれました。
その結果、自信をなくし友人との付き合いは疎遠。結婚するチャンスを逃してしまい、今は実家で細々と暮らしているといいます。
・最初は少額だった
借金のスタートは少額からです。しかし、結果的に借金が理由でやりたいこともできない。普通の家庭を築くこともできない。
だからこそ、今の小さな借金の判断が、将来の大きな選択を左右することを忘れないでほしいのです。
なぜ20代は借金しやすいのか?


当時20代だった私の周りでは、借金をすることは当たり前の感覚で、友人の8割はカーローンなどの返済に追われていました。
さらに、20代の頃は周りからよく見られたいという気持ちが強く。無理をしてでも手に入れる。
しかし、これだけが原因ではありません。
- 収入と支出のバランスがまだ不安定
- 手軽に手に入る誘惑が多すぎる
- みんなやっているから大丈夫
20代前半は社会人になりたてで、お金の使い方が上手ではありません。
だからこそ、今この瞬間からバランスのいい使い方を学ぶ必要があるのです。
収入と支出のバランスが不安定
20代は社会人になって間もないだけでなく、収入も少ない・生活費の金額も把握しきれていない時期です。



環境の変化や仕事を覚えるので精一杯ですし、お金の管理ができなくて当然ですが...
特に1人暮らしをしていると、何にどれくらいかかるのか?という感覚がつかめず、足りないから借りるという選択を取ってしまう。
収入は突然上がりませんが、支出は今この瞬間から変化することができます。
借りる前に、『どこでお金を使っているのかと考える習慣』を身に付けることが本当の家計力です。
手軽に手に入る誘惑が多すぎる


今ではスマホ1つで情報だけでなく、普段の買い物がワンクリックで買い物ができる便利な時代です。
さらにSNSでキラキラした日常を見せられて、『自分もほしい』『あれは必要だ』と思うこともあるでしょう。
・その快楽は一瞬で終わる



ここで本当に必要な物か?と判断する力が試されます。
その一瞬のために、何年も返済を続けるのはあまりにも高すぎる代償になります。便利な世の中だからこそ、冷静に判断することが重要です。
『みんなやっているから大丈夫』という安心感が危ない
- リボ払いって普通だよね?
- ローンなんて当たり前でしょ?



私の周りでも、車はローンで購入したりとほとんどの人が借金をしていました。
確かに、ローンを使っている人は大勢います。ですが、ローンで買うことは多数派であって正解ではありません。
他人に合わせる必要はありません。あなたはあなたの人生を生きていい。
他人と同じ選択肢を取らないことが、将来的にあなたの選択肢を増やしてくれるのです。
借金をせずに乗り切るための考え方





借金の怖さはわかったけど、借金をしないで済む方法はあるの?
借金をしてしまうのは、心理的な要因があると私は考えます。特に20代の頃はお金の使い方が上手ではない。
そこで、以下の内容を考えることが重要になります。
- お金を借りる前に『この借金は人生に関わるか?』と考える
- 家計簿アプリで見える化するだけで行動は変わる
- 『今あるお金でやりくりする力』を鍛える
- 他人と比べない。自分が満足できる基準を作る
- 借りる前に『誰かに相談する』
借金をしないテクニックはありませんが、考え方1つで借金をしない選択ができます。
では、順番に具体的な内容を見ていきましょう。
①『この借金は人生に関わるか?』と考える
借金を正当化する理由はいくらでも出てきます。
- 必要な物だから
- 仕方がない
- 今だけだから
でも一度立ち止まって、こう自分に聞いてみてください。
『これは自分の人生に関わる支出か?』
すべての物は、今手元に無くても普通に生活できてしまうことがほとんどです。
人生に関わらない支出と判断できれば、『お金を借りずにやりくりする方法を考える余地がある』ということです。
②家計簿アプリで見える化するだけでも行動は変わる


私たち夫婦は手書きの家計簿をつけることで、日々のお金の管理をしていますが、無理に家計簿をつける必要はありません。
ですが、お金の流れを見える化することは必須です。



お金の流れがわからないと、家計管理もできません。
そこで、マネーフォワードなどのアプリで、口座・カード・支出を繋げるだけで、簡単にお金の流れを見える化ができます。
過去に購入したものを振り返るだけで、『これ、必要だったかな?』と冷静に判断できます。
③『今あるお金でやりくりする力』を鍛える
やりくりする力は、貯金額や収入の多さなどは関係ありません。『今あるお金でどう生きるか』で身に付いていきます。
- 外食を1回減らす
- スマホプランを見直す
- 欲しいものは3日考えてから買う



小さい支出だからこそ、借りない力に繋がります。
収入によって使えるお金は変動します。しかし、使えるお金の額を自分で決めてコントロールをすることが『今あるお金でやりくりする力』を鍛えることができるのです。
④他人と比べない。自分が満足できる基準を作る


SNSだけの情報ももちろん、身の回りの友人は新車を購入したり、ブランド物を持っていたりします。
自分にはないものがあることで、『私もあの人のような物を持ちたい』と思う瞬間があります。
しかし、見せるための生活と生きるための生活は違います。



他人は他人。自分は自分です。
他人と同じ物を持つ必要ありません。お金の使い方は人それそれですが、あなたの生活は、あなたの心が満たされていればそれでいいのです。
⑤借りる前に『誰かに相談する』
生きていれば、どうしても必要な物が出てきます。それは借金をしないと手に入らない物かもしれません。
ですが、必ず誰かに相談することをおすすめします。



家族でも、信頼できる友人でも話てみましょう。
特に車などをローンで購入した場合は、何年にも渡り返済が続きます。もしかしたら、ローンを組まないで一括で買える車で満足できるかもしれません。
・借りる前に相談する
これだけで、お金に振り回されない未来を守れる可能性があることを覚えておきましょう。
20代で借金する前に知っておきたい!後悔しないお金の考え方


借金は今この瞬間をラクにしてくれます。しかし、その代償として将来の自由を犠牲にします。
- やりたかった仕事に転職できない
- 家族に言えない不安を抱える
- 借金の影響で子どもの進路を諦める



今後の未来は、借金が影響してくることも...
そうならないためにも、今こそ『借りない選択』ができるようになってほしい。
借金は悪ではありません。でも、借金を当たり前にしてしまうことは、人生にとって大きな損失です。
あなたが後悔しない選択をしてくれることを、心から願っています。
その借金、本当に必要ですか?




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